• 2026年6月23日

花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)について

花粉症というと、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみを思い浮かべる方が多いと思います。ところが、花粉症がある方の中には、果物や野菜を食べたときに口やのどに違和感が出ることがあります。

たとえば、リンゴやモモを食べた直後に口の中がかゆくなる、のどがイガイガする、唇が少し腫れたように感じる場合があります。このような症状は、花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)と関係していることがあります。

花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)とは

花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)は、花粉症のある方が特定の果物、野菜、豆類などを食べたときに起こるアレルギー反応です。食べ物を口にしてすぐに、口の中やのどに症状が出やすいことが特徴です。

一般的な食物アレルギーは、食べ物そのものに体が反応します。一方でPFASは、もともと花粉に反応する体質があり、花粉と似た成分を含む食べ物にも体が反応してしまいます。

PFASが起こる原因

PFASの原因は、花粉に含まれるたんぱく質と、果物や野菜に含まれるたんぱく質の形が似ていることです。体が花粉を異物として覚えているため、似た成分を持つ食べ物にも反応してしまいます。

このような反応を「交差反応」といいます。食べ物が急に体に合わなくなったというより、花粉症によって敏感になっている免疫が、食べ物の中にある似た成分を花粉のように認識して症状を起こしている状態です。

関係しやすい花粉と食べ物

PFASでは、原因となる花粉の種類によって、症状が出やすい食べ物に傾向があります。代表的な組み合わせには、次のようなものがあります。

・シラカンバ、ハンノキなどの花粉
リンゴ、モモ、ナシ、サクランボ、キウイ、大豆など

・イネ科花粉
メロン、スイカ、オレンジ、トマトなど

・ラテックスアレルギー
バナナ、アボカド、栗、キウイなど

これらはあくまで関係しやすい組み合わせです。同じ花粉症があっても、症状が出る食べ物は人によって異なります。また、同じ食品でも、生で食べたときだけ症状が出る方や、体調によって症状の出方が変わる方もいます。気になる食品がある場合は、食べたものや症状の出方を記録しておくと、診察時に原因を確認しやすくなります。

PFASの主な症状

PFASの症状は、食べてから数分以内に出ることが多くみられます。口の中のかゆみ、のどの違和感、舌のピリピリ感、唇や舌の軽い腫れなどが代表的です。

耳の奥がかゆくなる方や、軽い吐き気を感じる方もいます。多くの場合は短い時間で落ち着きますが、じんましん、息苦しさ、強いのどの腫れ、血圧の低下などが出る場合は注意が必要です。

生で食べると症状が出やすい理由

PFASでは、生の果物や野菜を食べたときに症状が出やすい傾向があります。原因となるたんぱく質の一部は熱に弱いため、加熱すると反応しにくくなることがあります。

たとえば、生のリンゴでは口がかゆくなる方でも、ジャム、コンポート、焼きリンゴでは症状が出ないことがあります。ただし、加熱すれば必ず安心というわけではありません。症状が強く出たことがある方は、自己判断で試さず、医師に相談してください。

PFASの治療と対策

PFASでは、症状が出る食べ物を避けることが基本になります。生で食べると症状が出る食品でも、加熱したものに変えることで食べられる場合があります。

大豆製品では、味噌や醤油、豆腐は問題なく食べられる方もいます。一方で、豆乳はたんぱく質が残りやすく、症状が強く出ることがあるため注意が必要です。また、花粉症の治療をきちんと続けることで、PFASの症状が軽くなる方もいます。

受診の目安

同じ食べ物で、口やのどの症状を繰り返す場合は、耳鼻科で相談することをおすすめします。特に、のどが腫れる、息苦しい、じんましんが出る、腹痛や吐き気がある、豆乳やナッツ類で症状が出たことがある場合は、早めの受診が大切です。

受診の際は、何を食べたか、生で食べたのか加熱していたのか、食べてからどのくらいで症状が出たのかを伝えると、原因を確認しやすくなります。気になる症状がある方は、無理に食べ続けず、一度ご相談ください。

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