• 2026年6月10日

鼻の加齢性変化について

〜年齢とともに変わる鼻のはたらき〜

年齢を重ねると、肌や筋肉だけでなく、鼻の粘膜や構造にも少しずつ変化が生じます。「鼻の中が乾燥する」、「鼻水が増えた」、「鼻水がのどに落ちる」などの症状は、加齢による変化が関係していることがあります。

ここでは、医学的な知見を元に、加齢によってみられる代表的な鼻の変化と、その対策をご紹介します。

鼻の中が乾燥しやすくなる

加齢により、鼻粘膜の萎縮が進むことで、鼻腺(鼻水を産生している場所)の機能が低下します。

その結果、鼻の乾燥、かさつき、粘り気のある鼻汁、かさぶた(痂皮)ができやすい といった症状が出やすくなります。

🔸対策

  • 室内の加湿(湿度40〜60%)
  • 生理食塩水スプレーで鼻を保湿
  • ワセリンなどの保湿剤を鼻の入り口に薄く塗る

鼻の通りが悪く感じる

加齢により、鼻の形を維持している結合組織やコラーゲン線維が萎縮し、鼻の入り口(鼻弁部)が狭くなることがあります。また、鼻粘膜の萎縮で鼻の中の空間が広がっても、空気の流れが変化することで、鼻づまりのように感じることがあります。

🔸対策

  • 寝るときに頭を少し高くする
  • アレルギーや副鼻腔炎があれば治療
  • 鼻中隔弯曲など構造的な問題がある場合は医師に相談

においを感じにくくなる(嗅覚の低下)

加齢により、鼻粘膜の萎縮、鼻への血流低下、線毛細胞(におい物質や、ほこり・ゴミをからめた鼻汁を運びだす役割がある)の減少、嗅細胞の機能低下が起こり、においを感じる力が弱くなります。また、慢性的な鼻炎や副鼻腔炎などが加わることで、さらに嗅覚が低下する場合があります。

🔸対策

  • 鼻炎や副鼻腔炎があれば治療
  • 嗅覚トレーニング(香りを意識して嗅ぐ習慣)

鼻水が出やすくなる(老人性鼻漏)

加齢により、鼻腔自体は乾燥しているのに、水のような鼻水が止まらなくなるという症状が出ることがあります。

その要因として、鼻粘膜の萎縮により鼻腔への血流が低下するため、鼻腔内の温度が低下します。その結果、空気中の水分が凝集して鼻水として出てきてしまうとされています。

※同様の症状はアレルギー性鼻炎などでも生じうるため、鑑別が必要です。

🔸対策

  • マスクで鼻を保温
  • 鼻や体を温める
  • 必要に応じて漢方薬を使用する

刺激に過敏になり、鼻水が出やすくなる

加齢により、わずかな刺激に鼻が過敏に反応し、鼻汁がでてくるようになります。

そのため、冷たい/温かい空気(クーラーの風、食事の温かい湯気など)、異臭、タバコの煙などに反応して鼻水が急に増えることがあります。

🔸対策

  • 急激な温度差を避ける
  • マスクで保温
  • 必要に応じて点鼻薬

鼻がのどに落ちる(後鼻漏)

加齢に伴い、鼻腺の機能が低下することで、粘り気のある鼻汁が出やすくなります。また、鼻腔内の線毛細胞の減少により、鼻汁の移送能が低下し、鼻水が排出されにくくなります。

その結果、粘り気のある鼻汁が喉に張り付くように感じることがあります。

🔸対策

  • 加湿
  • 鼻うがい
  • 炎症があれば治療

まとめ

鼻の加齢変化は誰にでも起こる自然なものです。 しかし、乾燥・鼻水・後鼻漏、嗅覚低下などが生活の質に影響することもあります。

気になる症状が続く場合は、自己判断せずに耳鼻咽喉科へご相談ください。

適切な診断と治療により、症状の改善が期待できることがあります。

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