- 2026年8月25日
めまい症について|原因や症状、検査・治療、受診の目安を解説
めまいは、「周囲がぐるぐる回っているように感じる」「立っていると身体がふらつく」「まっすぐ歩きにくい」など、さまざまな形で現れます。症状が強いと吐き気を伴い、起き上がることさえつらくなることもあります。
めまいが起きると、耳の病気を思い浮かべる方も多いですが、実際には脳や循環器の病気、薬の影響などが関係していることもあります。原因によって治療方法や受診すべき診療科も変わるため、症状の出方を確認することが大切です。
めまい症とは
「めまい症」とは、めまいの症状があるものの、診察や検査の時点では原因となる病気を特定できない場合などに用いられることがある診断名です。めまいが起きている最中には目が細かく動く眼振や平衡機能の異常がみられていても、受診する頃には症状が落ち着き、異常を確認できなくなっていることがあります。
そのため、めまい症と診断されても、原因が存在しないという意味ではありません。その後にめまいを繰り返したり、耳鳴りや難聴など別の症状が加わったりすることで、原因となる病気が明らかになる場合があります。発症した時間や持続時間、きっかけなどを記録しておくことも診断に役立ちます。
めまい症が起こる主な原因
私たちが立ったり歩いたりするときのバランスは、耳の奥にある三半規管や耳石器、目から入る情報、筋肉や関節から伝わる身体の位置に関する情報などを脳がまとめることで保たれています。この仕組みのどこかに異常が起こると、実際には動いていなくても周囲が回っているように感じたり、身体がふらついたりします。
代表的な原因には、良性発作性頭位めまい症、メニエール病、前庭神経炎、突発性難聴などの耳の病気があります。一方で、脳血管障害、起立性低血圧、貧血、不整脈、薬の影響などでもめまいが起こります。ストレスや不安などが症状に関係する場合もあり、原因を幅広く考えることが大切です。
耳が原因となる代表的なめまい
耳が原因となるめまいの1つが「良性発作性頭位めまい症」です。寝返りを打ったときやベッドから起き上がったとき、上や下を向いたときなど、頭の位置を変えたことをきっかけにめまいが起こります。内耳にある耳石の一部が三半規管へ入り込み、頭を動かした際に刺激されることで、症状が現れると考えられています。
「メニエール病」では、めまいとともに耳鳴り、難聴、耳の詰まりなどの症状を繰り返します。「前庭神経炎」では突然強いめまいが起こり、通常は明らかな難聴を伴いません。「突発性難聴」では突然聞こえにくくなり、耳鳴りやめまいが現れることがあります。聞こえ方に急な変化がある場合は、早めの受診が重要です。
耳以外の病気でもめまいは起こる
めまいがあるからといって必ずしも耳に原因があるとは限りません。特に注意したいのが、脳梗塞など脳の血管に関係する病気です。めまいと一緒に手足に力が入りにくい、身体がしびれる、呂律が回らない、ものが二重に見える、強い頭痛があるといった症状がみられる場合は脳の病気も考える必要があります。
立ち上がったときに目の前が暗くなる、意識が遠のく感じがするといった場合は、起立性低血圧や不整脈、貧血などが関係していることもあります。また、薬の副作用としてふらつきやめまいが現れる場合もあります。新しい薬を飲み始めた後や薬の量が変わった後に症状が出た場合は自己判断で薬を中止せず、処方した医師や薬剤師に相談してください。
症状の出方から原因を考える
めまいの原因を判断するには、症状の種類だけでなく、いつ起こったのか、どの程度続いたのか、何をしているときに始まったのかを確認することが重要です。寝返りなど頭を動かしたときに短時間のめまいを繰り返す場合は、良性発作性頭位めまい症が疑われます。
耳鳴りや難聴、耳の詰まりが伴うかどうかも大切な情報です。めまいと聴覚症状を繰り返す場合はメニエール病、突然の難聴とめまいが同時に起こった場合は突発性難聴などが考えられます。症状の組み合わせや発症時の状況を医師に伝えることで、原因を探る手がかりになります。
めまい症ではどのような検査を行う?
めまいの診察では、問診によって発症時期や持続時間、めまいが起こるきっかけ、過去の発作、耳鳴りや難聴の有無などを確認します。服用している薬や持病についても確認し、耳以外の原因がないかを判断します。
耳鼻咽喉科では、眼振を確認する検査や、頭の向きを変えて症状が出るかを調べる検査、聴力検査、平衡機能検査などを行います。脳の病気などが疑われる場合には、脳神経内科や脳神経外科への受診や、MRIなどの画像検査が必要になることもあります。
めまい症の治療方法
めまいの治療は原因によって異なります。症状が強く、吐き気などを伴っている場合には、めまいや吐き気を和らげる薬を使用することがあります。良性発作性頭位めまい症では、三半規管に入り込んだ耳石を移動させるために、頭や身体を一定の順番で動かす治療を行う場合があります。
メニエール病では薬による治療に加え、睡眠や生活習慣を整えることも重要です。前庭神経炎では、症状が落ち着いた後にふらつきが残る場合、身体のバランス機能を回復させるためのリハビリを行うことがあります。突発性難聴などでは早期治療が重要となるため、聞こえに変化を感じたときは早めの受診が必要です。
めまいがあるときの受診の目安
めまいに加えて、突然手足に力が入りにくくなった、しびれが出た、呂律が回らない、意識を失った、強い頭痛があるといった症状がみられる場合は、脳や循環器の病気が隠れている可能性があります。急激に症状が現れた場合や、自力で立ったり歩いたりすることが難しい場合は、速やかな医療機関への受診が必要です。
めまいだけの場合でも、何度も繰り返す、長く続く、耳鳴りや耳の詰まりがある、急に聞こえにくくなった場合は耳鼻咽喉科への受診を検討してください。受診時には症状が落ち着いていることもあるため、発症した時間や持続時間、きっかけ、耳の症状などを記録しておくと、原因を探るうえで役立ちます。