• 2026年5月27日

舌下免疫療法とは?アレルギー性鼻炎の治療法

鼻水やくしゃみ、鼻づまり、目のかゆみが続くと、日常生活の質は大きく下がります。季節の変わり目だけ不調になる方もいれば、1年を通して鼻の症状に悩まされる方もいます。こうした症状は一時的な不快感に見えても、睡眠の質、集中力、仕事や学習の効率に影響することがあります。

アレルギー性鼻炎の治療では、症状を抑えるだけでなく、何が原因で症状が起こっているのかを知ることも重要です。舌下免疫療法は、アレルギーの原因となる物質に体を少しずつ慣らし、症状を起こしにくい状態を目指す治療です。スギ花粉症やダニによるアレルギー性鼻炎でお悩みの方にとって、薬で抑える治療とは異なる選択肢になります。

舌下免疫療法とは?

舌下免疫療法とは、アレルギーの原因となるアレルゲンを少量ずつ体に取り入れ、過敏に反応しにくい状態を目指す治療です。治療薬を舌の下に置いて一定時間そのまま保ったあとに飲み込みます。現在、日本では「スギ花粉症」と「ダニ」によるアレルギー性鼻炎に対して行われています。

抗アレルギー薬や点鼻薬は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状を抑える治療です。一方、舌下免疫療法は、原因に対する体の反応を変えていくことを目指します。すぐに効果が出る治療ではありませんが、毎日継続することで、症状の軽減や薬の使用量の減少が期待できます。

アレルギー性鼻炎とその治療

アレルギー性鼻炎は、鼻の粘膜がアレルゲンに反応して炎症を起こす病気です。主な症状は、くしゃみ、透明な鼻水、鼻づまり、鼻や目のかゆみです。症状が続くと、口呼吸、睡眠不足、頭重感、集中力の低下につながることがあります。

一般的な治療では、抗アレルギー薬、点鼻薬、点眼薬などを用いて症状を抑えます。薬による治療は日常生活のつらさを軽くするうえで効果的ですが、薬をやめると症状が再び出ることがあります。毎年同じ時期に強い症状が出る方や、薬を続けても十分に改善しない方では、舌下免疫療法を検討することがあります。

アレルギー性鼻炎の種類

アレルギー性鼻炎には、季節性アレルギー性鼻炎と通年性アレルギー性鼻炎があります。

・季節性アレルギー性鼻炎

季節性アレルギー性鼻炎は、いわゆる花粉症です。スギ、ヒノキ、イネ科、キク科などの花粉が原因となり、花粉が飛ぶ時期に症状が出ます。特にスギやヒノキの花粉は広い範囲に飛びやすく、都市部でも症状が強く出ることがあります。

・通年性アレルギー性鼻炎

通年性アレルギー性鼻炎は、1年を通して症状が続きやすいタイプです。主な原因は、ダニ、ハウスダスト、カビ、ペットの毛やフケなどです。なかでもダニは寝具やカーペット、布製ソファなどに存在しやすく、朝のくしゃみや鼻水、掃除中の症状悪化に関係することがあります。

アレルギー性鼻炎の原因

アレルギー性鼻炎の原因は、体がアレルゲンに対して過敏に反応することです。本来は強く反応しなくてもよい物質を異物と判断し、鼻の粘膜に炎症が起こります。その結果、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状が現れます。

原因となるアレルゲンは人によって異なります。春先に症状が強い方はスギやヒノキ、初夏や秋に症状が出る方はイネ科やキク科の花粉が関係していることがあります。季節に関係なく症状が続く方では、ダニ、ハウスダスト、カビ、ペットが原因となることがあります。舌下免疫療法を始めるには、スギまたはダニに反応があるかを確認する必要があります。

皮下免疫療法との比較

アレルゲン免疫療法には、舌下免疫療法と皮下免疫療法があります。皮下免疫療法は、アレルゲンを含む薬液を注射で体内に入れる治療です。医療機関で定期的に注射を受ける必要があり、通院しながら治療を続けます。

舌下免疫療法は、舌の下に薬を置いて服用するため、注射の痛みがありません。初回は院内で服用しますが、その後は自宅で毎日続けることができます。通院の負担を抑えやすい一方で、毎日の服用を忘れずに続けることが大切です。治療方法は、症状や生活スタイルに合わせて医師と相談しながら選びます。

舌下免疫療法で期待できる効果

舌下免疫療法では、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状が軽くなることが期待できます。症状が完全になくならない場合でも、花粉の時期に使う薬の量が減る、症状が出る期間が短くなる、日常生活への支障が少なくなるといった変化がみられることがあります。

効果の現れ方には個人差があります。治療を始めてすぐに症状がなくなるものではなく、数か月かけて変化を見ていきます。一般的には3年から5年程度、毎日継続することが推奨されます。長期的に続けることで、治療終了後も症状の軽減が続くことがあります。

治療前に必要な確認

舌下免疫療法を始める前には、アレルギー検査で原因を確認します。当院では、過去5年以内にアレルギー検査を受けており、スギまたはダニに反応がある方を対象としています。他院で受けた検査結果でも確認できる場合があります。検査結果がない方は、血液検査などで原因アレルゲンを確認します。

また、6歳以上の方を対象としています。舌下免疫療法は、薬を舌の下に置いて一定時間保持し、その後に飲み込む必要があります。そのため、服用方法を理解し、毎日継続できることが大切です。お子様の場合は、保護者の方の協力も必要です。

治療方法と副作用

舌下免疫療法は、1日1回、薬を舌の下に置いて服用します。一定時間保持したあとに飲み込みます。服用後しばらくは飲食やうがいを控え、服用前後2時間程度は激しい運動、飲酒、入浴を避けます。初回は院内で服用し、副作用がないか確認します。

副作用は、口の中の腫れ、かゆみ、不快感、のどの違和感、口内炎、咽頭痛など、口やのどを中心に出ることが多いです。まれに全身性のアナフィラキシーという強いアレルギー反応が起こることがあります。息苦しさ、全身のじんましん、強い腹痛、嘔吐、意識がぼんやりするなどの症状が出た場合は、すぐに医療機関へ連絡してください。

舌下免疫療法は、アレルギー性鼻炎の原因に向き合い、長期的な改善を目指す治療です。スギ花粉症やダニアレルギーでお悩みの方は、耳鼻科で原因を確認し、ご自身に合った治療かどうかご相談ください。

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